
朝食はとった方がいいのか、抜いた方がいいのか。
みなさん一度は考えたことがあるかと思いますが、実際はどうなのでしょうか。
本記事の結論としては「集中力を上げて1日の生産性を向上させるには朝食はとった方がいい」となります。
空腹のほうが集中力が高まるといった考え方もあり、これも正しい面はありますが、朝食に限っては以下の理由でとるのをおすすめします。
・絶食後のエネルギーの補給になる
・体内時計をリセットし、体に1日のスタートを知らせることができる
それでは詳しく解説していきましょう。
朝食はとった方がいい
絶食後のエネルギーの補給になる
脳のエネルギー源は特別な場合を除いてブドウ糖です。
朝起きたときには頭がぼんやりしていますが、これは睡眠中の絶食により、起床時には体内のブドウ糖が減っており、血糖値が低いためです。
少なくとも睡眠中は絶食していることになりますので、起きたタイミングで食事からブドウ糖を補給してあげることで、脳にエネルギーがチャージされます。
体内時計のリセットに
朝食の役割としてエネルギーの補給に加えて大事なのが、体内時計をリセットして、体に1日のスタートを知らせることができるという点です。
体内時計とは、時間栄養学という研究分野にて、体内のあらゆる細胞に時計遺伝子というものがあり、これが1日のリズムを刻んでいるという考え方です。

ただ、体内時計は1日=24.5時間となっており、地球の1日24時間とはズレているため、放っておくとどんどんズレていき、変なタイミングで眠くなったり、不調をきたす原因になります。
これをリセットできるのが光と食事です。
朝起きたときに日光を浴びたほうがいいとよく言われるのは、これが理由です。
食事も同じく体内時計をリセットする働きがあります。
朝食をとることで消化器官や血管、皮膚などのすべての細胞に対して
「朝です、1日の始まりですよ。体内時計をリセットして活動を開始しましょう」というメッセージを投げかけることになります。
そのため朝食を抜くと体は1日の始まりを認識できず、体にさまざまな不調をきたし、集中力も落ちてしまいます。
「朝食べる」から「朝食」ではない
この体内時計の考え方で重要になってくるのは絶食時間です。
(※ご飯を食べていない時間のこと)
英語では朝食のことを「Breakfast」といいますが、これは絶食(=fast)を打ち破る(=Break)という意味から来ています。
1日で一番長い絶食時間(=睡眠)を経た後にとる食事は、まさにBreakfastであり、これは時間的な朝になることが多いため朝食というのです。
そのため午前6時とか7時とか、時間的な朝に食べるから「朝食」というよりかは、長い絶食時間を打ち破るから朝食なのです。
そう考えると、朝食をとる前の絶食の時間も重要になります。
例えば夜20時にごはんを食べて、7時に起きてごはんを食べたとすると、絶食時間は11時間となります。
この絶食の時間は10時間ほどあれば、朝食のリセット効果が高いとされているので、6時に起きて朝食をたべようと思うなら、20時にはごはんを食べておく必要があります。
これ以降の時間帯でお菓子や夜食をつまんでいると、絶食時間は一気に短くなるため、寝る前の数時間はなるべく何も食べないようにしましょう。
体内時計についてはこちらの本が非常に参考になります。
朝食には何を食べれば良いのか
炭水化物+タンパク質のコンビや、魚油が◎
朝食の重要性が分かったところで、何を食べればいいのでしょうか。
答えは「炭水化物+タンパク質」です。
体内時計の研究によると、この組み合わせでの摂取が1番体内時計をリセットする効果があるとされており、炭水化物単体では効果が薄いことが分かっています。
朝おにぎりやパンだけを食べてもダメということです。
脂質については、特に青魚からとれる魚油が体内時計をリセットする効果が高いとされており、こちらも積極的に摂取したいですね。
朝食におすすめの食材
朝食には炭水化物+タンパク質、また青魚が良いという前提を踏まえた上で、朝食におすすめの食材をご紹介します。
■炭水化物
米、パン、オートミール
■タンパク質
卵、ヨーグルト、納豆、プロテイン
■青魚
サバ、ツナ缶(マグロ)、サンマ
お米に焼き魚といった和食の組み合わせや、パンとツナで作ったツナサンドであれば、魚からはタンパク質と魚油がまとめてとれますので、朝とるには理想と言えます。

ただ、朝は出勤前で家を出る時間が決まっていたりと、準備にあまり時間がかけられませんので手軽に取れるものが続けやすいでしょう。
その意味では納豆やヨーグルト、ツナ缶などはパッケージを開ければすぐ食べられますし、卵もゆで卵を事前に仕込んでおけば準備に時間はかからないでしょう。
魚が苦手だったり、朝から用意するのが難しい場合は魚油を凝縮させたサプリメントもありますので、普段の朝食に合わせてプラスアルファでとっていただくと、効果を実感できるしょう。
プロテインも水で溶かしてすぐ飲めますので、タンパク質をいそいで取りたいときには非常に有用です。
避けたほうがいいもの
高糖質の食品
避けた方がいい食べ物や飲み物も存在します。
1つはフルーツ系のジュースなど、糖質を大量に含む食品です。
ジュースはフルーツをそのまま取るよりもはるかに糖質の量が多く、また消化にエネルギーがかからないため、血糖値が急上昇する原因になります。
こうなるよ直後は元気になりますが、すぐに血糖値が急降下し、眠気や気だるさの原因になります。
食べ方:量に気をつける
いくら朝食はとった方がいいと言っても、量には気をつける必要があります。
もともと朝はそこまで食欲がないという方なら大丈夫ですが、朝から食べすぎてしまうと胃腸は大忙し。
脳にまわるはずのエネルギーも消化活動に一生懸命になってしまい、集中力を下げる原因になってしまいます。
朝食に関しては腹8分やそれ以下に抑えておきましょう。
おわりに
1日のスタートは朝食から始まります。
集中力を上げて生産性の高い1日を過ごすには、朝食でいいスタートをきっておくのが非常に大事なことが分かったかと思います。
今まで朝食をとっていなかった方も、量は少なくても構いませんので「炭水化物+タンパク質」の組み合わせでご飯を食べ、エネルギーに満ち溢れてた1日を過ごしましょう。