
魚が健康に良いということはよく知られていますが、実は集中力を構成する認知機能や記憶力の向上にも効果があるとする研究結果も出ています。
この主要因とされているのが青魚の油に多く含まれるDHA(ドコサ・ヘキサエン酸)です。
体内時計を整える効果も高く、生産性の高い1日を過ごす上でこちらも見逃せません。
なお、魚の油は酸化されやすく、特に油で揚げてしまうとDHAの多くが失われてしまう恐れがあるので、調理方法には注意が必要です。
青魚が苦手だったり、日々の食事に取り入れるのが難しいという場合はサプリメントからフィッシュオイルを取るのもいいですが、こちらも酸化には十分気を付ける必要があります。
・集中力を高める食事とは|血糖値や腸内環境、油の質に注目
・【イミダペプチド】で疲労を減らして集中力アップ|疲れに効く食べ物を紹介
青魚が脳にもたらす効果
週1回の焼き魚が脳を大きくする

魚を食べると脳が大きくなったという研究をご紹介します。
(Regular Fish Consumption and Age-Related Brain Gray Matter Loss)
この研究の対象者は65歳以上の年配の方で、9年間にも渡って食生活を追跡調査し、その間、脳を継続的にスキャンするという統計調査になります。
その結果、焼き魚を週に1回食べるだけで以下のような効果がありました。
・海馬など記憶力を司る脳の部分が4.3%肥大
・認知機能を司る部分が14%肥大
この研究での対象者は、脳が萎縮しやすい年配の方になっていますが、若いときから摂取することで脳の老化を防げると言えるため、若い方も積極的に摂っていきたい食べ物です。
脳機能の向上にはDHAが大きく関わっている
脳の構成はその60%が脂質で、残りの40%がタンパク質となっています。
この脂質のうち25%はDHAとされており、脳全体で見ると15%に該当します。
このDHAは青魚の油に多く含まれており、また脳細胞の神経と神経を接続する膜(シナプス)の生成にも関わっているので、脳機能の向上が見られても不思議ではありません。
ただし、DHAを含むオメガ3脂肪酸という脂質は、他の油に比べて酸化しやすいという特徴を持っており、
詳しくは後述しますが、調理方法やサプリメントからの摂取の場合は気を付ける必要があります。
(※酸化は生物にとって基本的にはマイナスです)
魚油には体内時計を整える効果も
魚油は体内時計を整える効果があるともされています。
体内時計が狂っていると、体が地球の時間帯に適応せず、イマイチ集中力が発揮できなかったり、生産性を下げる原因になります。
⇨体内時計についてはこちら
こちらはマウスを使った実験にはなりますが、体内時計への影響を見るために、餌として魚油や大豆油を与えたところ、魚油の効果が著しいという結果になりました。
理由は魚油に含まれるオメガ3脂肪酸がインスリンの分泌を促すためでがないかとされています。
特に朝食時に青魚を摂取できれば、体内時計は地球のリズムに適応し、1日のスタートを最高な形で切れることになります。
おすすめの食べ方
青魚が集中力を発揮するためにいい影響をもたらすことが分かった上で、どのように摂取していくのがいいでしょうか。
結論から言うと、生>煮物>焼き魚の順によく、フライは絶対に避けて下さい。
刺し身や、缶詰、焼き魚としての摂取がおすすめ
調理によるDHAの残存率は生を100%とすると、煮ると90%、焼くと85%、揚げると50%と減っていきます。
サンマやサバはDHAを多く含みますが、DHAを損なわずに食べるなら、刺し身や酢でしめるのがいいでしょう。
忙しくて調理が難しい場合はサバ缶がおすすめです。
缶詰であれば密閉した後に加熱処理をしているため、添加物を使わずとも栄養が損なわず、皮や骨ごと食べることができるため、栄養分をまるまるとることができます。
サラダにかけたり、煮汁ごとスープに使ったりと手軽に摂取することができます。

伊藤食品 美味しい鯖(さば)缶詰 5種 【水煮・食塩不使用 各3缶 味噌・醤油・黒胡椒にんにく各2缶 合計12缶】
サバ缶に美味しいイメージがないという方はぜひこちらのサバ缶を試してみて下さい。
サバ缶の概念が変わります。
フライは絶対NG
フライはDHAを残ってしまう上、体の老化を招く原因になるため避けましょう。
先ほど魚油は酸化されやすいと言いましたが、酸化は空気に触れることで進み、火を通すと更に促進されます。
特に油で揚げてしまうとAGEsという物質が発生し、体の老化に大きな影響を及ぼすとされているのです。
アジフライやサバフライからの魚の摂取は避けましょう。
サプリメントは酸化に気をつける
フィッシュオイルはサプリメントとしても販売されていますが、こちらも酸化に気を付ける必要があります。
ハーバード大学の研究によって明らかになったのですが、市販のフィッシュオイルはかなり酸化しています。
実験などで使われるフィッシュオイルは医学的な品質を満たしたものが使われているので問題ありませんが、薬局やコンビニなどで売られているフィッシュオイルのサプリメントはその40倍も酸化しているというデータもあるのです。
酸化しているフィッシュオイルを摂ってしまうと、体に対して悪い影響しか無く、逆に摂らないほうがいいくらいです。
そのためサプリメントからの摂取を考える場合は、品質については十分チェックしましょう。
ただ気を付けるとは言ってもパッケージを見て分かるようなものでもありません。
1つ傾向としてお伝えすると、金額の安いものはコストダウンのために材料の質や工場のレベル、管理品質を犠牲にしていることが多いので、変に安いものは避けた方が無難です。
みやびのDHA&EPAオメガプラスは、GMP基準を満たした国内有数の工場にて、医薬品レベルの品質、安全管理のもとで製造されているため、安心して摂取することができます。
おわりに
魚やそれに含まれる油は、集中力だけでなく心筋梗塞や動脈硬化の予防など、健康にいいというメタアナリシスも多く出ています。
調理が面倒くさかったり、どうしても肉を食べがちという人は、手軽に摂取できるという点でサバ缶やサプリメントからの摂取が続けやすいでしょう。
さまざまな効果が期待できる魚ですが、酸化という弱点がありますので、その点だけには注意して日々の生活に取り入れていきましょう。