
集中力を発揮して1日の生産性を高めていくためには、その前に取った睡眠が非常に重要になってきます。
6時間未満の睡眠時間では、酩酊状態に近いパフォーマンスまで落ちてしまうとも言われています。
また、短い睡眠時間が続くと、睡眠不足が借金のように蓄積していき、死亡率も大幅に高まっていき集中力どころではありません。
睡眠を改善する方法はいくつかありますが、本記事では食事からのアプローチ方法についてご紹介していきます。
集中力の鍵は睡眠が握る
皆さんも今までの経験から実感はあるかと思いますが、睡眠と集中力は密接に関係しています。
よく眠れて朝をすっきり迎えられた日には、気分良く1日を通して高い集中力を発揮できますが、
反対に睡眠時間が短かったり、その質が悪かったりすると、1日中頭がぼんやりして思うように集中できません。
そのため、いかに睡眠の量を確保し、質を高めていくかが集中力を高めていく上での重要ポイントとなってきます。
睡眠負債が蓄積すると死に至ることも
2003年にVan DongenやMullingtonらがペンシルベニア大学とワシントン州立大学で行った実験によると、6時間未満の睡眠が続くとほろ酔い状態と同じくらいのパフォーマンスに落ちてしまうことが確認されました。
また、自治医科大学が行った研究によると、睡眠時間が6時間未満だと、7〜8時間の睡眠を取っている人たちに比べて、死亡率が2.4倍も高くなったというデータもあります。
他にも免疫力の低下や、肥満の促進、鬱リスクの高まりなど、からだにとって非常にダメージを与えることが分かっています。
食事から睡眠を改善していく
睡眠の改善にはなにより睡眠時間を確保することも重要ですが、いくら長い睡眠を取ったからと言って、それが効果的かは別問題です。
たとえば、寝る前にお酒を飲んだ場合、アルコールは熟睡を妨げるため、睡眠時間は長かったとしてもその質が下がってしまいます。
そのため睡眠時間だけでなく、質を上げていく必要があります。
睡眠の質を上げる方法はいくつかありますが、日々の食事が非常に重要な要素の1つです。
睡眠負債に人は気づかない
さきほどご紹介したペンシルベニア大学とワシントン州立大学の実験でもう1つ分かったことがあります。
それは睡眠負債によるパフォーマンスの低下に自分自身が気付くことができないということです。
寝不足とともにパフォーマンスの低下は日を追う毎にどんどん進んでいきましたが、被験者たちはそのことにほとんど気付くことができませんでした。
この研究結果から分かることは、自覚がなかったとしても、すぐに睡眠を改善させたほうが失われた集中力を取り戻せるということです。
これをお読みのあなたも実は睡眠負債が溜まっており、パフォーマンスがすでに落ちている可能性があります。
食事による睡眠の改善方法
朝食に炭水化物とタンパク質を取る
体には体内時計がそなわっていると考えられており、これがズレると眠くなるはずの時間帯に眠気が来なくなる原因になります。
体内時計をズラさないためには、朝に日の光を浴びることが非常に重要ですが、もう一つ重要なのが朝食です。
朝に食事を取ることで胃腸なども目を覚まし、体内時計が正確にはたらくようになります。
カフェインをとらない
カフェインは覚醒作用があるため集中力を高めるには便利な成分ですが、その効果の裏返しとして、寝付きを悪くしてしまいます。
カフェインをとってから体内で薄まってくるのに最低5時間はかかるとされており、寝る前の時間帯にとってしまうと著しく睡眠の質を下げることが分かっています。
コーヒーなどカフェインを含む飲食物は、少なくとも寝る5時間前からはとらないように心がけましょう。
⇨【カフェインの取り方について詳しくはこちら】
カモミールティーを飲む
カモミールティーには心を落ち着かせるはたらきがあり、寝る前にカモミールティーを飲むことで興奮をやわらげ、入眠をスムーズにすることができます。
温かい状態で飲めば一度体温が上がり、それが下がっていく際に眠気が引き起こされるため、ホットのカモミールティーとして飲むのが一番です。
おわりに
睡眠は人間の活動のすべての土台になるものです。
睡眠状態を盤石にすることで、日々の生産性を底上げしていくことができます。
睡眠を改善するにはちょっとした食事の取り組みでも変わっていきます。
自分が続けやすいものから始めていくといいでしょう。